2022/02/19 18:20



ワンちゃんやネコちゃんたちに与える食事を選ぶとき、アレルギーが出ないか心配になりますよね。


今回、神奈川県の葉山町にある『雷頭動物診療室』獣医師 金木 葉一 先生に

食物アレルギー、ヒスタミン、青魚とアレルギー反応など、様々な疑問に答えていただいたので、

項目ごとシリーズでお届けします!


私たちでは気づきにくい、専門家ならではの目線で、大切な情報をたくさん教えていただきました。

ワンちゃん、ネコちゃんと生活されている方は、是非読んでみてください!


〜Q.食物アレルギーが起こる原因はなんでしょうか?〜


A.最近になって、ようやく解明・証明されてきていることも多いですが、

元々はアレルギーの語源は変わった(変な)作用というものです。

ですから、本来は毒性がないにもかかわらず、体に有害な反応が出てしまうことを指します。


その中でも食物アレルギーというのは、

主に口、その他、皮膚、粘膜などから、アレルゲンと呼ばれる原因となる物質にさらされることで、

目や耳、皮膚、胃腸などにトラブルが起きます。


主な症状は、

「涙が多い」「耳が汚れやすい」「くしゃみや逆くしゃみ」

「咳をしやすい」「皮膚が赤くなる」「毛が抜ける」

「吐きやすい」「下痢しやすい」「肛門線がたまりやすい」など、


軽度から重度な子まで統計よりも多い3、4頭に1頭以上は、

直接的、もしくは間接的に食事のアレルギーを持っている印象です。


原因は個々によって違うので、明確には断言できませんが、

親兄弟からの遺伝、普段暮らしている環境によるものが多いと感じます。


その他には、体質との線引きが難しいものも多いですが、

肝臓や腎臓、内分泌、免疫などが弱い、粘膜のバリア機能が弱い、

腸内細菌叢のバランスが崩れている、特定の栄養素の吸収が苦手など、

様々な持病が原因になるものと考えられます。


様々な原因から体の中では、

食べてすぐに症状が出る IgEという抗体が反応するタイプ(I型)、食べてから症状が出るまでに、

1週間以上時間が経ってから、リンパ球が反応してしまうタイプ(IV型) などの変化が起きます。

実際には、食べてすぐアレルギー反応が出るタイプ(I型)よりも、時間のかかるタイプ(IV型) が多いとされています。


また、IV型は離乳期以降で発症しやすく、I型は2-3歳で発症しやすいため、

高齢になればなるほど克服が難しいものになります。


特に0〜2歳までの間は、不調の小さなサインを見逃さないように、

食べさせていて何も不調を感じない最低限の食材に絞り、不用意に色々な食べ物をあげないことをお勧めします。


その期間をトラブルなく、過ぎてからは、

慎重に一つずつ食材を増やしてあげると、健康寿命が長くなる印象があります。


【雷頭動物診療室】

〒240-0111

神奈川県三浦郡三浦郡葉山町 一色1179−5 カヤの木テラス

獣医師 金木 葉一

電話:046-876-6818

外来:9:00-12:00 / 16:00-18:00

休診:月・木・祝日は午後より休診